ISO感度とは?~ISO感度を使いこなして、暗い場所でもキレイに写そう~

ここではISO感度について解説します。夜景や夜祭りなど暗い場所の撮影で、写真がブレてしまった思い出はありませんか。そういった場面ではISO感度をあげることで改善できるかもしれません。

ISO感度とは?

ISO感度とは、フィルムカメラでは、フィルム自体の光の感度です。デジタルカメラでは、画像センサーの光の感度になります。ISO感度が高ければ、より敏感に光を写しとってくれます。いくつかのレベルで設定することができ、一般的なカメラではISO 100 ~ ISO 3200といった範囲で設定することができます。高性能なカメラであればさらに高いISO感度が設定できます。

ISO感度が高いと何が良いのか?

夜景を撮影するには、わずかな光を取り込む必要があるためISO感度が高い方が有利です。ISO感度が低いと暗い写真になったり、光を取り込むためにシャッターを少し長めに開く必要があり、シャッター速度を長くするとそれだけブレのリスクも高まります。
また、ISO感度が高ければ、少ない光でもより明るく写すため、シャッター速度が短いスポーツの撮影や、暗い場所でフラッシュなしでの撮影ができるなどのメリットがあります。

IMG_3922 - コピー

ISO感度を上げた時のデメリット

一方、ISO感度をあげすぎると、ノイズが多くなり、ざらついた印象の写真になってしまいます。そのため、暗い場所などで感度が必要な場合に設定を上げて、それ以外の通常時は400以下にするのがおすすめです。ただ、これはカメラの性能により異なるため、高性能なカメラではISO感度を上げてもノイズが少ないこともあり、そういった心配もありません。

IMG_3922

ISO感度を変えて実験

参考に我が家のデジカメでISO感度を変えて撮影してみました。
感度が上がるに従い、シャッター速度が上がっていることがわかります。また、同時に若干ですがノイズも多くなっています。一方、ISO感度を下げるとノイズが少ないキレイな写真になりますが、シャッター速度が長くなってブレのリスクも高まります。

screenshot.336 (2)

ISO感度を操って、一歩進んだカメラ撮影に挑戦してみてください。


ISO感度は、通常時は100程度に設定して、シャッター速度が早い撮影や夜景の撮影時にISO3200などの高い値に調節してみてください。ただ、性能の良いカメラによっては、感度をあげてもノイズが入らないこともあり、そういったカメラを狙うのも良いかもしれません。

続いて、花火や夜景の撮影テクニック「バルブ撮影」について解説します。


次のステップ

arrow_right_20x20「バルブ撮影」とは?

露出補正って何?~露出補正の使い方~

普段は自動で調節してくれる露出補正ですが、自動がゆえにイタズラもします。そんな時に露出を操ることでカメラ撮影テクニックもさらに上達します。ここでは露出補正について解説します。

そもそも露出とは?

露出とは、光の量のことを指します。露出の単位は、EV値(Exposure Value)で表し、明るすぎることを露出オーバーといい、暗すぎることを露出アンダーといいます。通常はカメラが撮影するシーンにあわせて自動で適切な光の量に調節します。

screenshot.361 (2)

露出補正はどんな時に必要?

露出補正は撮影時にある点を基準に自動で調節してくれます。しかし、この機能により、真っ白い壁を撮影すると、グレーの壁になってしまいます。これは白い壁を露出オーバーとカメラが判断して、適切に調節してしまうためです。一面の雪景色を撮影した場合に、灰色に撮影されてしまうのはこれが原因です。また、暗い場所では意図した以上に明るく映ってしまう場合がありますが、これも自動露出補正のワナです。

screenshot.355


明るい被写体、暗い被写体を撮影する場合に露出補正を行い、適切な露出に調節する必要があります。全体的に白っぽい写真を撮るときは、+(プラス)に補正し、ちょっと暗めの場所で写真を撮るときは、-(マイナス)に補正するとより自然に近い写真が撮れます。
状況に応じて露出補正を使いこなして、素人レベルを一歩出た撮影をしてください。

続いて、夜景の撮影では欠かせないISO感度の調節について解説します。


次のステップ

arrow_right_20x20ISO感度とは?

シャッター速度とは何か?~切っても切れない絞りとの関係~

ここでは、シャッター速度と絞りの関係について解説します。シャッター速度と絞りは、一眼レフで撮影するならば、必ず知っておくべきポイントです。

そもそも、シャッター速度とは何か?

シャッター速度は「1/250秒」などと秒数で表示され、シャッターを開く時間のことです。といってもただ、シャッターは、素早く押したからといって、短い時間開くというわけではありません。シャッターを押すと、事前に設定された秒数の間、シャッターが開き、画像センサーに光が当たって写真が記録されます。

一眼レフなら、カメラ性能によりますが、およそ「1/2000秒~16秒」の幅でシャッター速度を調節することができます。
シャッター速度を早くすると、瞬間的な写真が撮れ、水しぶきは止まっているような写真が撮影できます。
シャッター速度を遅くすると、動きのある写真が撮れ、水の流れがまるで白いベールのような写真を撮影できます。

シャッター速度:1/1600秒 シャッター速度:120秒
screenshot.350 screenshot.361

シャッター速度は、いろいろな描写ができて便利ですが、ただ単に調節すればよいというわけではなく、もう1つ絞りの概念と組み合わせて設定しなければなりません。

シャッター速度と絞りは、水道の蛇口の関係にある?!

シャッター速度と絞りの関係は、よく水道の蛇口に例えられます。
絞りは、レンズから取り込む光を調節する羽の絞り具合のことです。詳しくは下記ページに解説されています。

絞り(=F値)とは?明るいレンズとボケの関係

蛇口を大きくひねって水をたくさん出し、コップに水を入れると、すぐにいっぱいになるように、絞りを開いて撮影すると短いシャッター時間でも十分な光を集めることができます。

一方、蛇口を小さくひねって水をちょろちょろ出し、コップに水を入れると時間がかかります。それと同じで絞りも絞り込むことによって、光の量を少なくして、シャッター速度を遅くすることができます。

screenshot.335 (3)

スポーツなどの速い動きを止めて撮影するには、シャッター速度を上げて、絞りを開く必要があります。
そのため、最小F値が小さいレンズ、つまり、絞りを開くことできる明るいレンズは、シャッター速度をより短くできます。

screenshot.340 (2)

一方、シャッター速度を遅くして雰囲気のある写真をとりたいときには、十分に絞りを絞り込んで光の量を調節する必要があります。
絞らずに、シャッター速度だけを長くしてしまうと、コップに水があふれるように、光の量が多すぎて真っ白な写真になってしまいます。

screenshot.356 - コピー

シャッター速度と絞りを使いこなして、より魅力的な写真を撮ってください。
続いて、露出について解説します。

なぜ、一眼レフと呼ばれるのか?~一眼レフと二眼レフの構造の違い~

なぜ、一眼レフと呼ばれるのか?

二眼レフカメラが存在し、それと区別するために一眼レフと呼ばれるようになりました。二眼レフカメラとは、撮影するレンズと写りを確認するファインダー用レンズの2つのレンズを搭載したカメラです。

screenshot.343

レフとは何か?

ちなみに「レフ」とはドイツ語のシュピーゲル・レフレックス(鏡の反射)という意味で、レンズから取り込んだ光を反射鏡を使ってファインダーに写す仕組みを表しています。二眼レフカメラであれば、レンズから入った光は反射鏡を通して上のファインダーから確認できます。

screenshot.360

一眼レフとは何か?

一方、一眼レフは二眼レフの2つのレンズを1つにしたカメラです。撮影レンズとファインダーレンズが一緒になり、通常は鏡(ミラー)でファインダーレンズとして機能し、シャッターを押したときだけ、画像センサーに光があたるようにしました。

その後、二眼レフカメラは「レンズ2つで重く、サイズも大きくなる」「レンズ交換が2つ必要」であることから衰退しました。

一眼レフの仕組み2


一眼レフは、二眼レフと区別するために、一眼レフと呼ばれるようになりました。そして、カメラとして優れていた一眼レフカメラのみが普及するようになりました。

続いて、カメラのレンズはなぜ、あんなに価格差があるのかその謎を解明します。


次のステップ

arrow_right_20x20レンズによって価格の差が大きい理由

カメラの起源と語源は何?~現在のデジタルカメラに至るまでの経緯~

カメラの歴史を知ると、カメラそのものの構造も理解しやすいと思います。ここでは、簡単に、現在のデジタルカメラに至るまでのカメラの歴史をご紹介します。

1021年 カメラ・オブスクラ時代

カメラのはじまりはとても古く、古代から小さい穴から外の光を室内に取り入れると壁に外の景色が映るというしくみが始まりとされています。そして、その映ったものを人によって転写するというものでした。初代カメラは、1021年アラブの科学者により「カメラ・オブスクラ」と呼ばれるものでした。その仕組みは、ひと一人くらいが入れる暗い部屋で、穴から取り込んだ外界の景色を人が書き写すというものでした。

screenshot.341

ラテン語で「カメラ」は部屋、「オブスクラ」は暗いという意味です。現在当たり前となっているカメラはもともと部屋という意味が語源なのです。

ちなみにこの頃のカメラ(カメラ・オブスクラ)は、写真がない時代に、画家たちの間で景色が本物そっくりに描けると重宝されました。

1826年 手写し→自動露光へ

カメラといってもまだ手写ししていたころ、フランスで、なんとか書き写すのではなく自動的に記録できないか研究が進み、ついに銀板を使って人の手ではなく自動的に板に写すことができるようになりました。
その数年後、1839年フランスで、はじめて一般向けに発売したカメラは、8時間もかけて記録する必要があったそうです。

1903年 日本カメラ到来

コニカミノルタから、「チェリー手提暗函(てさげあんばこ)」というカメラが日本で最初にアマチュア向けに発売されました。

oldphoto (1)

1935年 白黒写真→カラー写真へ

コダックからカラー写真がはじめて作られました。

screenshot.342

1980年代 銀塩フィルムカメラ→デジタルカメラへ

フィルムしかなかった時代に、ビデオカメラで先に普及していたデジタル技術が、カメラに応用され、銀塩フィルムカメラからデジタルカメラの時代となります。

canon_rc701

2008年 ミラーレス機登場

一眼のコンパクト化が実現し、一眼レフの「レフ」の部分をなくした、ミラーレス一眼が日本でパナソニックから登場しました。これにより、本体構造が半分程度のコンパクトなモデルが実現しました。今、主流となりつつあるミラーレス一眼も意外と歴史が浅いのです。

20080912131154_379_


カメラの語源は「部屋」です。そして、ミラーレス一眼は日本メーカーから生まれた新しい技術です。そして、カメラはこれからもどんどん進化します。

続いて、「一眼レフ」がなぜ一眼と呼ばれるのかその秘密に迫ります。


次のステップ

arrow_right_20x20一眼レフと呼ばれる理由

なぜ、レンズによって価格の差が大きいのか?

値段の高いレンズは、その道、何十年の熟練技術者が時間をかけて磨いているからです。一方、安いレンズは、プラスチック素材で機械により大量生産しているからです。

その差は、素人にはわかりにくいかもしれませんが、仕事でカメラを使うプロは、より良いものを選びます。そのため、値段の高いレンズと安いレンズが存在するのです。

screenshot.348 (3)

一般的にレンズの値段は、大まかにはこの3点で決まります。

1.材料の価格
(高品質なガラスほど高く、またレンズが大きくなるほど高くなります)
2.レンズ加工方法
(安いレンズは金型で成型し、高いレンズは、ガラスを削り出して、研磨します。また、レンズが大きくなるほど成型の難易度があがり手間暇がかかります)
3.生産量
(大量生産されるレンズは比較的低コストになり、生産が少ないレンズはより高コストになります)


初回はあまり高いレンズに手を出さず、徐々にレンズを買い増していく中で、研究しつつ良質なレンズを選んでいくのがよいと思います。

光をキレイな十字に写す「クロスフィルター」とは?

クロスフィルターとは

クロスフィルターとは、レンズに付けて使うレンズフィルターの1つです。
クロスフィルターによって、光源は、十字の印象的な光にかわります。
夜の明かりを写した場合にはこんな感じになります。

screenshot.340

このように一眼には、レンズだけではなくフィルターを使った表現もあります。

その他にもこのようなレンズフィルターがあります。

プロテクター・保護フィルター

使用する人も多い、レンズをホコリや傷から守るフィルターです。保護フィルターを使い、レンズキャップをせずに使うユーザーもいるくらいです。フィルターに傷がついても交換できるので、安心です。

偏光・PLフィルター

反射光を通さないフィルターです。水面の照り返しが強い場合や、ガラスに影が写り込む場合に、偏光フィルターを使って、被写体をきれいに写すことができます。

減光・NDフィルター

光の量を減らすフィルターです。バルブ撮影などで10秒シャッターを開く必要がある場合、日中では明るすぎて真っ白な写真になってしまいます。減光フィルターを使うことでそういった場面でも光を減らして写すことができます。

ソフトフィルター

光をソフトにするフィルターです。ボケとは異なる形で写真をふんわりと明るくします。

zzz

カラーフィルター

赤・青・緑など特定の色でレンズから入ってくる光を調節するフィルターです。

クローズアップ

レンズに装着するだけで、手軽にマクロ撮影ができるフィルターです。


フィルターを使った表現は、コンデジにはない一眼の魅力です。

続いて、ちょっと実用的なカメラの知識から離れて、カメラのトリビア(雑学)をご紹介します。


次のステップ

arrow_right_20x20カメラの起源と語源

花火や星を撮るときに有効な「バルブ撮影」とは?

花火や星空の美しい写真を雑誌やポスターなどで見かけることもあるかと思いますが、普通にシャッターを切るだけではあのような美しい写真はとれません。バルブ撮影と呼ばれる撮影テクニックで撮られています。

screenshot.341 (5)

「バルブ撮影」とは?

通常のシャッターの動作とは異なるモードで、シャッターを押してから指を離すまでの間、シャッターが開いたままになる撮影モードです。
この機能を使うことで、長時間露出が必要な星空や花火を効果的に撮ることができます。

35分間もシャッターを開けて撮影した星の写真

screenshot.339

撮影には、入ってくる光の量を調節する減光フィルターや、カメラを固定する三脚、シャッターを押す際にカメラがブレるのを防ぐレリーズ(リモートシャッター)などを使うとさらにいい作品ができます。


バルブ撮影は、コンデジではほとんどできず、ミラーレス一眼や一眼レフの得意とする撮影方法です。バルブ撮影を試してみたいのであれば、迷わず一眼を選んでみてください。

続いては、光をちょっとアレンジするクロスフィルターについて解説します。


次のステップ

arrow_right_20x20「クロスフィルター」とは?

「単焦点レンズ」は何がイイの?

単焦点レンズとは、ズームできないレンズのことです。
逆に、ズームできるものをズームレンズといいます。

レンズの説明では、焦点距離がFX.X-X.Xと表記され、可変であるズームレンズに対して、単焦点レンズでは、FX.Xと表記され1つの焦点であることがわかります。

xxxxx

ズームできないため遠くのものを引き寄せてとることができないというデメリットがありますが、以下のようなメリットもあります。

コンパクト

単焦点はコンパクトです。「パンケーキレンズ」と呼ばれるパンケーキのような外観のレンズも存在します。軽いので色々と持ち歩いて気軽に使いたいユーザーにぴったりのレンズです。

screenshot.341 (3)

明るい

単焦点は、F値が小さい(絞りが開放できる)ものが多く、多くの光を取り込むことができます。光を多く取り込めると何がよいかというと、薄暗いシーンでも他のレンズよりも明るい写真が撮れることや、光をより多く取り込めるため、シャッター速度が短くても適切な光を得られ、手ブレや移動している被写体のブレが少なくなるなどのメリットがあります。

入門レンズして最適

ズームできないため、自ら動いてよいアングルを探す必要があります。
その点が逆に、撮影技術が上達すると言われています。


特定のレンズが得意とする撮りたい場面があれば、そのレンズを買えばよいと思いますが、レンズにこだわらないのであれば、手始めに、軽くてかさばらず、気軽に持ち歩けるパンケーキレンズをオススメします。

続いて、撮影テクニック上達のために、知るべきポイントをご紹介します。まずは、「シャッター速度」についてです。


次のステップ

arrow_right_20x20シャッター速度とは何か?

ボケると何がいいのか?

カメラ売り場で「このカメラはよくボケます!」「このカメラのボケはきれいです」などと説明されていますが、ここでは具体的にボケると何がよいのか解説します。

screenshot.345

ボケは表現の一つ

誤解してはいけないのは、「ボケる=良い写真」ではありません。
あくまで、ボケは表現の一つです。ボケを上手く使いこなすことで雰囲気のある写真がとれます。そして、ボケの表現は、スマホは苦手とし、一眼が得意とする分野です。

a0070_000012

なぜ、ボケが評価されるようになったのか?

フィルム時代は、レンズを調整しないと普通にぼけてしまうので、一般的にピントがあった写真がよいとされていました。しかし、コンデジが登場し、ボケずに全体にピントが合うカメラが一般的になると、ボケはあまり気にならなくなりました。

そしてコンデジが普及すると、ボケは高価な一眼ならではの表現となりました。そういったことから、ボケの表現は、プロや比較的カメラの上手い人が使っているため、ボケの使い方も上手く「ボケ=良い写真」というイメージができ、自分でもボケのキレイな写真を撮ってみたいと人気を集めるようになりました。

ボケはシーンにあわせて使うことで印象的な写真に

ボケを上手く使いこなしは、主役のみにピントをあわせて、周りをボカすことや、光源を丸くボカすことで、雰囲気のよい写真をとることができます。また、ピントが合った部分は、全体にピントを合わせたものよりも、より鮮明に写ります。

screenshot.354


あくまではボケは表現の1つです。ボケる=良い写真ではありません。そして、ボケは一眼の得意とする表現です。ボケのキレイな写真を撮りたいのであれば、ミラーレス機などの一眼カメラを購入することをオススメします。

続いて、これからカメラを始める方にお勧めな単焦点レンズについて解説します。


次のステップ

arrow_right_20x20「単焦点レンズ」は何がイイの?