【デジカメ上達編】オートフォーカスを使いこなす!コンティニュアルAFと追尾AFの違いは?

オートフォーカスはシャッターひと押しでピントを合わせることができるとても便利な機能です。

デジタル一眼や高機能なコンデジには、さらに便利な動く場面でも常にピントをあわせ続ける撮影モードが存在します。

今回は、そんなオートフォーカスをはじめとしたフォーカスモードの違いと、適した撮影シーンについて解説します。

フォーカスモードは主に5種類

フォーカスモードは、主に5種類あります。
ここでは、オリンパスE-PM2を例にご説明します。

  • シングルAF(S-AF)
  • コンティニュアスAF(C-AF)
  • マニュアルフォーカス(MF)
  • シングルAF&マニュアルフォーカス(S-AF+MF)
  • 追尾AF(C-AF + トラッカー)

シングルAF(S-AF)

シャッターボタンを半押しすると、ピント調節を1回行います。
安価なコンデジにもついている一般的なAFです。後述のコンティニュアスAFで、ピント調節がふらふらして安定しない場合はこちらの1回調節が有効です。

適した撮影

静止物の撮影。花、風景、建物など。

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コンティニュアスAF(C-AF)

シャッターボタンを半押しすると、その間ずっと撮影範囲の中心でピントを合わせ続けます。
高機能なデジカメに搭載されているフォーカスモードです。これにより、徐々に近づいてくる乗り物にもピントをあわせることができます。

適した撮影

動きのあるもの撮影。子供、電車、自動車、動物など。

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マニュアルフォーカス(MF)

任意の位置で手動でピントを調節するモードです。一からピントを合わせる必要があるため、やや扱いが難しいです。
自動では調節できな絶妙なピント調節を行うことができます。
なお、はじめは自動であわせて、後から調節したいなら「シングルAF&MF」が便利です。

適した撮影

自動ではピント調節できないシーン。三脚を使って、ピントをほとんど変えたくないシーン。花火、風景。

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シングルAF&マニュアルフォーカス(S-AF+MF)

シャッターボタン半押しで、シングルAFで一度、ピントを合わせてから、その状態で手動でピントを調節できるモードです。
半押しで一度ピントを調節するため、MFよりも使い勝手がいいです。細かなピント調節が必要な場合に有効です。

適した撮影

マクロ撮影など。花のめしべ、植物のアップ。

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追尾AF(C-AF + トラッカー)

シャッターボタン半押しで、特定の被写体にピントを合わせます。その後、その被写体が動いてもそれにピントを合わせ続けます。撮影範囲外に移動しても追い続けます。色を認識して被写体を追っている様子です。

適した撮影

動き回る特定の被写体にピントをあわせた撮影。動き回る子供、空を飛びまわる野鳥など。

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C-AFと追尾AFの違いは?

コンティニュアスAFと追尾AFの違いは、C-AFが常に撮影範囲内の中心部にピントを合わせようとするのに対して、追尾AFは、一度ピントをあわせた被写体にずっとピントをあわせる機能です。撮影範囲外に移動しても追い続けようとします。

コンティニュアスAF

撮影範囲内の中心部に常にピントを合わせ続けます。

CAF

追尾AF

一度合わせた被写体にピントをあわせ続けます(撮影外に移動しても)

追尾AF

追尾AFを使ったちょっとした実験動画

ちょっとためしに追尾AF機能を使って、糸の先に取り付けた赤い玉を追ってみました。
撮影範囲外に移動しても追い続けようとします。

オリンパスE-PM2の「追尾AF」で赤い玉を追う実験映像


動く被写体には、「コンティニュアスAF」か、「追尾AF」を駆使して、動きの中の一瞬をとらえた奇跡の一枚を撮影してください。
自動では調節できな絶妙なピント調節は、「シングルAF&マニュアルフォーカス」で素敵な一枚を撮影してください。

【デジカメ上達編】測光モードを使いこなして表現豊かな撮影を!

イルミネーションなのに、写真が明るすぎたことや、暗い場面で明るくなりすぎて困るということはないでしょうか。
ここでは、写真の明暗を自動で最適に設定してくれる「測光モード」について解説します。

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測光モードとは?

測光とは、カメラ内蔵されている露出計で光の量を測定することです。

この機能により、シャッターを押すと自動で最適に明るさの写真を撮影することができます。測光は自動で行われますが、測光するにもいくつかの方法(測光モード)があります。測光モードをシーンにあわせて変えることで表現豊かな写真が撮れます。

3つの代表的な測光モード

多分割測光

多分割測光は、写真として記録する範囲を複数に分割して、露出を決定する方法です。
キャノンでは「評価測光」、ニコンでは「マルチパターン測光」と呼ばれています。

多分割測光2

中央部重点測光

中央部重点測光は、写真として記録する範囲の中心部分で明るさを決定する方法です。
中心部分に近い部分の方がより、明るさの判定に重視されます。

中央部重点測光

スポット測光

スポット測光は、画面の中央付近の一部のみの明るさから露出を決定します。
写真全体を対象としないため、予想外に暗すぎたり、明るすぎたりしてしまうデメリットがありますが、一方、狙った部分は、最適な明るさに調節できるというメリットがあります。

スポット測光

普段使いは、多分割測光

通常は、撮影範囲全体の明るさを考慮して、露出を決定する多分割測光モードで、撮影できます。
ただ、暗いシーンや明るすぎるシーンでは、中央部重点測光やスポット測光を使用して、露出を調整する必要があります。

実際にスポット測光を使って撮影してみます!

暗闇に浮かぶイルミネーション撮影

まずは、暗闇に浮かぶイルミネーションの写真です。

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このような写真を通常の「多分割測光」モードで撮影すると、明るくなりすぎてしまいます。

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マニュアルモードで露出を調節してもよいですが、初心者にはやや難しく、手間もかかります。そのため、スポット測光を使って撮影します。

スポット測光2

スポット測光モードに変更し、一旦、黄色の枠の部分を中央で半押します。すると、露出が中心のイルミネーションにあわせて調節され、雰囲気のある写真が撮れます。

人間のシルエットをうまく表現した写真撮影

screenshot - コピー

人間のシルエットが、夕暮れを引き立てる海辺のよい写真です。
こちらも多分割測光で撮影するとやや明るすぎてしまいます。

screenshot2

そこで、スポット測光で、白い円の部分を中心としてシャッターを半押しします。
露出が一瞬で最適になり、雰囲気のある写真が撮れました。

スポット測光3

他にも…

他にも、スポット測光を露出を調整することで、人間をあえて真っ暗にした写真も撮れます。

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普段使いの測光モードは「多分割測光」モードでよいかと思います。
ただ、暗いシーン、明るいシーンでは、「中央部重点測光」「スポット測光」モードで露出を自在に操って、表現豊かな写真を撮ってみてください。